ホット・レモンティ 2017.12.7

 
 
大きな月
石油の匂い
頬が切れるような冬の風
 
ライトの付かない自転車と忘れてきてしまった赤い手袋
一つも車のいない広く静かな道路の真ん中で
本当の優しさは自発的なものだと確信する
 
小さな猫
欠けたマグカップ
少し甘すぎるフレンチトースト
 
あの人は温かい紅茶には確実にレモンを浮かべて
その一口一口を大切すぎるかのように飲んでいた
自分の保ち方がとても上手な人だった
 
きっと今も誰がために
それはとても自然に
あの人があの人であるために
 
心無い浅はかさが身に降りかかれば
口を開かず笑みを浮かべているだけ
 
誰かが罵り嘲るなかで
限りある人生を謳歌する